子供がぜんぜんバイオリンの練習をしてくれない!
どうしたら毎日ちゃんと練習するようになるの?
これはお子さんをバイオリン教室に通わせている親御さんならだれもが思うことです。
私の息子も始めて1年半ほどは1週間1回も練習をしないで次のレッスンに行くこともありました。
とにかく気分屋で、やるときやるんですが、ダメなときは本当にダメで毎日練習は夢のまた夢のような気がしていました。
当時は妻も半ば諦め気味で、「やるときはやるから」という感じ。
私はせめて土日だけはと思い、バイオリン練習しようと声をかけていましたが、気分が乗らないときは、嫌といって泣き叫ぶばかり。
それではと楽器を好きになるようにと間違った方向に行っていました。
先生にも、まずは10分でも「楽器を持って立たせることからはじめましょう」と言われていましたが、それすらできませんでした。
そんな息子も、今は練習するのが当たり前になっています。
「体調を崩した」といったどうしようもないケースを除き、練習を毎日しているんです。
今回は、お子さんに「毎日練習する」という習慣をつけさせたいと思っていらっしゃる親御さんに向けて、練習嫌いの息子がどのようにして練習を毎日するようになったのか、我が家で行ったその方法をご紹介していきたいと思います。
バイオリンの練習をしない5歳の息子が毎日練習をするようになった5つの方法とは?
練習嫌いの息子に「毎日練習」の習慣をつけさせることに成功した5つの方法は次の通りです。
2.家庭で練習報告の時間を作った
3.練習成果の確認手段を作った
4.練習は「夕食前」の17時から(同じ時間にやる)と決めた
5.練習しない日は作らないようにした
毎日毎日、嫌がって泣き叫ぶ子供に無理やりやらせるのは本当に大変ですよね。
根性論では親も子も継続するのは難しいです。
ですから、毎日の練習を1年も2年も継続させるには、子供に毎日の練習を習慣化させることが大事になってきます。
「練習の習慣化のために我が家が行った5つの方法」と言っても過言ではありません。
1.練習の準備は親がするようにした
練習の準備は私たちがするようにしています。
これは、練習の前段階で息子に嫌だという気持ちを持たせないようにするためにやり始めました。
そして、思った以上に効果がありました。
このように息子の目の前で楽器を用意し、譜面台に楽譜を開いた状態で置き、「はいどうぞ」と言ってあげると、息子はとりあえず楽器を持つようになりました。
楽器出して、肩当つけて、弓を張って、松脂つけて、譜面台出して、楽譜だして、、、
子供にとっては結構な労力です。
そこは取り除いてあげるほうが、ぐだぐだと嫌がったりせず、すぐに練習してくれます。
また親が楽器の準備をし始めたら、子供も練習なんだと気持ちの切り替えもスムーズにできるのかなと思っています。
諦めもあるかもしれないです。
子供は、どんなに嫌がっていてもスタートできる状態にしてあげれば以外に始めるものです。
よくある質問
Q1:親が準備しても子どもが嫌がったり、やる気になってくれないときはどうしたらいいですか?
A1:初めのころは息子も嫌がったりすることがありました。
そんなときは、まず楽器を持って構えるといった簡単なことからさせて、構え方をチェックするなど自然に練習に入っていくようにしていました。
これだけでも練習ですよね。
これが、自分で準備させていると、楽器を出すという全然練習じゃないことで終わってしまう可能性があります。
Q2:子どもが嫌がっても無理やりやらせたほうがいいのでしょうか?
A2:やらせるべきです。
息子も初めは嫌がっていましたが、無理やり楽器を持たせていました。
そこでやらせないと、結局ずっと練習するようにはなりません。
2.家庭で練習報告の時間を作る
我が家では、平日は私に、休日は妻にその日の練習を報告させるようにしました。
復習をかねて、楽譜をみながら今日やったところを確認し、どこをどれだけやって、何ができるようになったのかなるべく息子に話してもらいます。
ある日の息子との報告会の抜粋です。
きょうは、1ページ目をいっぱい練習したよ!
この前先生に注意されたここのリズムがやっぱり難しかったけど、10回連続で弾けたんだ!
日曜日パパとやったときはできなかったのに、凄いじゃん!
ここ難しくて、パパも小さいとき全然弾けるようにならなくて悔しかったなぁ。
早く先生にみてもらいたいね!
このように練習内容を報告させたことで良い効果が2つありました。
練習を報告させることで得られた良い効果
・「ママ、パパ2人ともあなたのバイオリンに期待しているんだよ」という思いを毎日息子に伝えることができた。
・毎日報告をするために、毎日練習をするようになった。
この報告会をやることで、息子はバイオリンの練習するとママもパパも2人ともうれしいんだなって思うようになったみたいです。
今、息子に「バイオリンなんでやっているの」って聞くと「みんなが喜んでくれるから!」と答えます。
報告会をする以前もバイオリンについて息子と話してはいましたから、口だけでなく行動で示してあげるほうが、子供は分かってくれるんだなって思います。
でも、報告会そのものを嫌がらないのかという疑問もあるかと思います。
この点に関しては、息子がこの報告会をやりたいって思うように工夫しています。
ただ、工夫といっても、きちんと報告できたら、シール帖にシールを1枚はってあげるという約束を作っただけです。
たったそれだけで、息子は毎日の報告会を楽しみにしています。
そのため、息子は毎日報告するために、毎日練習するようになっていきました。
よくある質問
Q1:報告会ではなく練習後にシールを貼ってあげるようにするのではダメでしょうか?
A1:それだと、息子はシールのために練習をするという考えになり、練習中シールのことばかり考えるようになりました。
報告会をはさむことで、練習自体は報告会のためにするので、練習への集中力が上がったように感じます。
Q2:うちの子どもはシールに興味を示さなくて、練習の動機付けになりません。何かほかに方法はありませんか?
A2:シールそのものに興味がないのなら、シールをためる意味を作ってあげればいいと思います。
息子も大きくなってきた最近では、シールそのものには興味を示さなくなってきています。
そのため、シールをためることに意味を持たせるため、ため終わったシール帖1冊につき1個、息子がはまっている食玩を買ってあげることにしました。
3.練習成果の確認手段を作る
子供は上手になるという目的だけでは練習できません。
なぜなら、上手になること自体には子供が納得するだけの利点がないので、そもそも「上手になりたい!」という気持ちになれないからです。
そこで、対策として「上手になって何をするのか」という目標を作るのがおすすめです。
我が家では、練習中の曲が弾けるようになったら動画をとっておじいちゃんおばあちゃんに送っています。
送れば必ず「上手だねー、がんばっているねー」という反応が返してくれるので、息子はうれしくなって、「早く動画を取って送りたい!」と練習をがんばるようになっています。
これのよいところは、ゴールの日が決まっていない点です。
そのため、途中でだれたり、逆に間に合わなくてあせったりということが起こりません。
目標達成までの期間は自分のがんばり次第ですから、息子も練習にかなり前向きに取り組んでいます。
よくある質問
Q1:「上手になって何をするのか」という目標は子どもに決めさせたほうがいいのでしょうか?それとも親が決めてしまったほうがいいのでしょうか?うちの子どもは「上手になって何をしたいのか?」という目標が決められないみたいなんです。
どのように決定されたのか教えてほしいです。
A1:我が家では、私たちで決めました。
息子はいろんな人にほめられて期待されていると感じるとモチベーションが高まる傾向があったので、この形にしました。
決めてあげる際は、お子さんがどんなことでモチベーションが高まるのかを考えて、そこに結びつくような目標を設定するといいと思います。
Q2:動画に撮ろうとしてカメラをまわすと、緊張するのか恥ずかしいのか上手く弾けないようで嫌がります。何か良い方法はありませんか?
A2:初めは、練習中常にビデオをまわしておくといいです。
我が家でも初めのころは常にビデオをまわしていて、その中で上手に弾けた一部分を送っていました。
その動画におじいちゃん、おばあちゃんからよい反応が返ってくるということを何度か経験したことで、息子は動画をとるときには気合を入れるようになりました。
動画のために1曲通しで弾くのは、そういった経験を重ねてからでいいと思います。
4.練習は「夕食前」の17時から(同じ時間にやる)
「練習は毎日同じ時間にしなさい」とはよく言われますよね。
これは、練習を生活の一部にする(習慣化)には重要なことだからです。
我が家では、夕食前の17時~18時半を練習の時間にしています。
この時間にした理由は2個あります。
・1日好きなことをした後のため我慢することがないから
・ほかのイベントかぶりにくいから
夕方の17時からなら、友達と遊ぶ時間はしっかり確保してあげることができますし、息子が好きなことをする時間も十分にあります。
帰ったらすぐに友達と遊びたいのに練習があるから遊べないとか、なにかやっているものをいったん中断させて練習させるといった「息子に我慢をさせること」はなるべく少なくしてあげようと考えました。
練習が原因で好きなことができないとなっては、練習が嫌になってやらなくなりますよね。
また、夕食前なのでほかの習い事や、親の用事などにも比較的、重ならない時間であることもよい点です。
親の都合だとしても練習時間を変えてしまっては習慣化からは遠ざかってしまいます。
初めのうちは、息子も17時ぐらいになるとちょっと機嫌が悪くなったりもしていました。
でも、17時から練習開始を1年ぐらい続けたら、17時は練習の時間とインプットされて、練習させるのに大変ということはなくなりました。
よくある質問
Q1:うちも練習を固定しようと夕食前の17時から練習をするように時間を決めたのですが、なかなかやる気になってくれません。
習慣化させるまではどのように取り組ませたらいいのでしょうか?
何かコツのようなものがあれば教えてください。
A1:時間を固定するというのは「練習するようになる」というよりも「毎日練習の習慣化」を目的にやっていました。
習慣化するまでは、1~3でご紹介した方法を使ってお子さんのやる気をださせてあげて下さい。
親御さんがお子さんのやる気を出させるために工夫されていれば、練習したくないという頻度は減ってくると思います。
息子もそうでした。
それでも時々はどうしても練習を嫌がることはあるので、そのときは無理やりでもいいのでやらせるようにするしかないです。
また、ご家庭の事情やお子さんの性格によっては別の時間のほうが良い場合もあります。
その場合は朝食前なども、子供に我慢を強いることは少ない時間帯です。
実際に、私自身が幼稚園~小学生のころは、朝食前の朝5時半~7時に練習していました。
学校から帰った後に練習のこと考えなくてよかったのがありがたかったです。
Q2:練習時間について質問です。17時から18時半だと90分ありますが、うちの子ども(6歳)は90分も集中が続かいないようですぐに飽きてしまい、途中でやめようとしたり、嫌がってしまいます。練習時間はどれくらいがいいのでしょうか?
また90分間集中して練習させられる秘訣のようなものがあれば教えてください。
A2:息子は15分ぐらいから始めました。
その後は、曲が長く難しくなってくるにつれて、練習時間は勝手に延びていき、加えてバイオリンが上達してくると、息子のやる気もアップしてきて、気がついたら90分やるようになっていました。
また、親御さんができることでいうと、練習中に集中力が切れてきたなと思ったら、ほかの曲やスケール練習などの別の練習をはさむようにして気分を変えさせていますね。
5.練習しない日は作らない
よっぽどのことがない限り、練習しない日は作らないほうがいいです。
例えば、「学芸会がんばった。だから今日は練習いいよ」なんていうのはよくないと思います。
これを1度でもしてしまうと、子供は「どうしたら練習しなくてよくなるか」を考えるようになるからです。
過去に我が家でも、それをしてしまったことがあって、その後しばらくは「今日遠足だったから練習なしで良いでしょ」とか「昨日は練習いつもよりしたから今日はやらない」なんて言っていました。
いくら「特別だったんだ」といっても理解してくれなかったです。
よくある質問
Q1:うちも基本的には毎日練習させるようにしているのですが、やはり何かの理由をつけて練習しない日ができてしまいます。
嫌がっていても無理やりやらせたほうがいいのでしょうか?
子どもが「今日はやらなくてもいいでしょ?」という気分になっているときに練習に向かわせる良い方法があれば教えてください。
どのように子どもを説得しているのでしょうか?
A1:息子が「今日はやらなくてもいいでしょ?」と言ってきたら、まずは「それじゃあ今日は、ママ(パパ)に報告できないねー」などモチベーションの元を思い出させるようにしています。
それでもダメなら無理にでもさせる必要があると思います。
息子も習慣化するまでには、泣きながら練習する日もありましたよ。
Q2:我が家では水曜日と金曜日の週2回バイオリン教室に通わせています。教室に行った日も家で決まった時間に練習させたほうがいいのでしょうか?
A2:レッスンの日は、家での練習はさせていません。
ただ、レッスンの時間を家での練習時間と同じ17時~にしてもらっています。
レッスンの時間に家の練習を合わせるのか、家での練習時間にレッスンをお願いするのかは、状況によっても変わってくると思いますが、同じ時間にするのは習慣化という意味では効果的だと思います。
子供が毎日練習するようになるために親が意識しなければいけない大事なこととは?
子どもが毎日練習をするようになるために親が意識しなければいけない大事なことがあります。
それは「親が練習させなきゃだめだ」ということです。
子供が自らやることは絶対ない!と断言できます。
このことは絶対に意識しないといけないです。
子供は「練習しなさい」と口で言うだけでは練習するようになりません。
息子が全然練習をしてくれなかったころ、練習をとても嫌がるので、まずは音楽とかバイオリンに興味を持つきっかけを与えてあげて、自分から練習するようになるのを待とうとしました。
そのため、私がバイオリンを弾いて聞かせたり、ミニコンサートなどに連れて行ったり、家でバイオリンの曲を流したりして、バイオリンに興味を持ってもらえるようにという事ばかり考えていました。
でも、その場では「あの曲かっこよかったね」なんて言っていても、それで練習するようにはならなかったです。
結局、発表会直前になって、いまだキラキラ星すら弾けない息子を見てまずいと思い、そこでやっと、ここまでご紹介した方法で、無理やり練習させることから始めました。
その後はご紹介したとおり、初めは無理やりだったものが、今は毎日17時に練習するのが当たり前という状況にまでなりました。
なにが言いたいのかというと、初めは無理やりでも何でも親が介入して練習をさせてあげることが重要だということです。