イギリスのスピーカーメーカーKEFから2021年2月4日に発売になった完全ワイヤレスイヤホン「Mu3」。
8.2mm径のダイナミックドライバーを搭載。
またアクティブノイズキャンセリング&外部音取り込み機能といった完全ワイヤレスイヤホンのトレンドはしっかり抑えてあります。
私個人的には、メイン機に決めたほど好みの音質でした。
そこで今回は、クラシック音楽視聴における「Mu3」の特徴などをご紹介できればと思います。
KEF『Mu3』
- 名門デザイナーの Ross Lovegrove とのコラボレーションでデザインされた、ノイズキャンセリング機能搭載の完全ワイヤレスイヤホン
- 8.2mm径のダイナミックドライバー搭載で全音域においてピュアで正確なサウンド
オーディオ性能 | ドライバー | 8.2mmダイナミック |
再生周波数帯域 | 20Hz – 20,000Hz | |
インピーダンス | 16Ω | |
Bluetooth | Ver. | Bluetooth 5.0 |
対応コーデック | SBC | |
AAC | ||
再生時間など | イヤホン単体 | 最大9時間(ANC有効時) |
充電ケース | 最大15時間 | |
急速充電 | 5分で1時間 | |
充電端子 | USB Type-C | |
サイズ | イヤホン | 24.5 x 17.5 x 26.3 mm |
充電ケース | 33.5 x 62 x 52 mm | |
質量 | イヤホン | 5.8g |
充電ケース | 46.8 g |
イヤホン&ケース、単体操作方法
物理ボタンでの操作になっています。
ロゴマーク&KEFの部分が物理ボタンです。
左 | 右 | |
音楽再生&停止 | 1回クリック | |
音量アップ | 長押し | |
音量ダウン | 長押し | |
次の曲 | 2回クリック | |
ANC→外音→無 | 1回クリック | |
音声アシスタント | 2回クリック |
物理ボタンは可もなく不可もなくといった感じです。
どうしても操作時は耳に押し込む形になりますので不快に感じる方もいるかもしれないです。
不満に感じる点としては
・操作時に音が鳴らないため少し不安
・操作方法が固定
→曲戻しができない。外部音取り込みから直接ノイズキャンセルにいけない。
反応は良く、押し込みにくさも感じません。
ボタン部分がへこんでいるため違うところを押してしまうこともないと思います。
イヤホン本体は決して小さくはないですがデザイン性が高く装着時もスマートかなと思います。
LEDランプは光らないと場所が分からないようになっています。
出っ張りもなくマイク穴などがあるのみで非常にすっきりとしたデザインです。
Mu3の充電ケースはイヤホンとの統一感があり、個人的には高級感もあるかなと思います。
少なくともチープな感じはないです。
イヤホン同様、外からはどこがLEDランプなのか分からないデザインです。
ボタン等もないためすっきりとしていますね。
充電端子はUSB Type-Cでケース後方にあります。
完全ワイヤレスイヤホンでは一般的な磁石でくっついて充電するタイプです。
デザイナーLovegroveの名が印字されています。
付属品
・シリコン製イヤーピース(ショート、スモール、ミディアム、ラージ)
・USB A to USB-C充電ケーブル
・クイック・スタートガイド、保証書
付属品は必要最低限といった感じです。
イヤーピースは4種類ありますが普段Mサイズを使う私はラージサイズでも少し小さく感じました。
社外品イヤーピースは一部充電ケースに収まらないものがあるので、事前にケースに収まるか確認した方がよさそうですね。
社外品イヤーピース使用可否、おすすめのイヤーピース
①Horn-Shaped Tips TWS | ○ |
②TYPE E 完全ワイヤレス | ○ |
③スパイラルドットSF | △ |
④スパイラルドット++ | △ |
⑤SednaEarfit | × |
⑥AET07 | × |
私が試したものは上の表の通りです。
△はケースに戻すときに、イヤーピース側を先に入れるような形で丁寧にしまえば充電できます。
ただし少し無理やりふたを閉じている感覚はあります。
付属のイヤーピースが合わないという方におすすめなのは、①「Horn-Shaped Tips TWS」です。
開口部が付属のものと同じようにしっかりしているため、音が耳までしっかり届く印象です。
付け心地重視であれば、②「TYPE E 完全ワイヤレス」や③「スパイラルドットSF」も悪くないです。
開口部はどちらもふにゃふにゃしていますが、装着感はとても良いです。
個人的には耳が痛くなりにくいため長時間の使用にも耐えられるかと思います。
気になる方はこちらからどうぞ。
①「Horn-Shaped Tips TWS」
②「TYPE E 完全ワイヤレス」
③「スパイラルドットSF」
音質
全体的な印象としては、明るく元気の良いサウンドです。
加えて、完全ワイヤレスイヤホンにありがちなこもった感じが全くなく非常にクリアです。
低音域、中高音域のバランスは良く、個人的にはめちゃくちゃ好みの音でした。
特にメロディーの邪魔をしない締まった低音や、煌びやかなヴァイオリンと輝かしい金管が刺さることなくクリアに聴こえてきて、私のメイン機に決定しました。
そして、次が一番大事なことです。↓
Mu3はかなりの前方定位で、音が頭の外から聴こえてきます。
また各楽器の音がきちんとオーケストラの配置通りの場所から聴こえてきます。
そのため特にライブ録音では奥行きを感じ立体感が出てくるため、まるでホールの客席からコンサートを聴いているような感覚になります。
もちろん想像力も必要になります。
例えばこのあたりの音源は前方定位を感じ易いです。
特に、ラトルのブラ1は何も考えずに聴いてもホールで聴いているような感じです。
序奏やコーダの部分をMu3で聴いたときは感動しました。
まとめると・・・
- Mu3は全帯域でバランスが良くとてもクリアな音
- 前方定位でまるでホールの客席から聴いているような感覚になる
この2点だけでもオーケストラを聴くための完全ワイヤレスイヤホンとしては一押しです。
(むしろ前方定位だけで推せます。本当に凄いですよ!)
また金管楽器の鳴り方は本当にかっこよく聴こえるので、ショルティ&シカゴ響が好きな方とかおススメです!
接続性能
接続はものすごく早いです。
私が所持している完全ワイヤレスイヤホン8機種中最速です。
※所持機種
FALCON PRO、TE-BD21j、MOMENTUM True Wireless 2、Beoplay E8 3rd Generation、T5Ⅱ、MTW100-BA、Achieve 100 AirLinks
早いときはイヤホンをケースから取り出して耳に持っていくまでの間に接続が完了しています。
これは、イヤホンを取り出したときでなく、蓋を開けたときにペアリングが始まるからだと思います。
ノイズキャンセリング&外部音取り込み
ノイズキャンセリング
Mu3のノイズキャンセリング機能は正直言って、めちゃくちゃ弱いです。
かすかに低い音がカットできているかなと感じる程度。
オンオフを切り替えてもあまり変化を感じにくかったです。
あまりノイズキャンセリング機能が強くないMOMENTUM True Wireless 2よりも弱いと思ってもらって大丈夫です。
とはいえ、イヤホンの見た目に反してイヤーピースさえ選べば遮音性能はかなり高いため、音楽視聴にはまったく影響しないですよ。
むしろオフのときもノイズキャンセル機能が働いているんじゃないかと思うくらいです。
外部音取り込み
外部音取り込み機能はきちんと使えるレベルです。
音の自然度で言えば
Beoplay E8 3rd Gen≧MOMENTUM True Wireless 2>Mu3>>T5Ⅱ>>>Falcon Pro≧TE-BD21j
空調などが少し不自然に聴こえますが、人の声はしっかり拾ってくれる上にとても自然な印象で、レジでもイヤホンをはずすことなくいけました。
またノイズなどはほとんど感じなかったので音楽が流れていれば常時オンでも違和感はなかったです。