イギリスのオーディオ専門会社であるRHAから2020年12月に発売された、完全ワイヤレスイヤホン「TrueControl ANC」。
巷ではFalcon PROと並んで完全ワイヤレスイヤホン最高音質といわれています。
今回1週間ほど使用する機会があったので、2万円を越えるハイエンドTWSを7つ所持している私が、「TrueControl ANC」をレビューしたいと思います。
RHA『TrueControl ANC』
・アクティブノイズキャンセリング&外音取り込み機能搭載
・RHAサウンドチューニング技術によるRHAのHi-Fiサウンド
・専用スマホアプリによるイコライザー設定やファームフェアアップデートが可能
・Qi規格ワイヤレス充電に対応
オーディオ性能 | ドライバー | 6mmダイナミック |
再生周波数帯域 | 10Hz – 20,000Hz | |
Bluetooth | Ver. | Bluetooth 5.0 |
対応コーデック | SBC | |
AAC | ||
aptX | ||
再生時間など | イヤホン単体 | 5時間(ANC有効時) |
充電ケース | 15時間 | |
充電時間 | ケースフル充電170分 | |
イヤホンフル充電110分 | ||
充電端子 | USB Type-C (QI規格ワイヤレス充電対応) | |
質量 | イヤホン(片側) | 8.3g |
充電ケース込み | 94g | |
その他 | 防水規格 | IPX4 |
保証期間 | 3年 |
イヤホン&ケース、単体操作方法
イヤホン本体はかなり大きめです。
そのため人を選ぶ装着感になっています。
うまく装着できたときのぴたっと吸い付くような装着感はとても良いです。
遮音性が高く、耳から落ちる心配は無いでしょう。
逆にイヤーピースだけで支えることはできないため、きちんと装着しないと簡単に外れてきます。
私はきちんと装着はできますが、長時間の使用により耳が痛くなってしまいました。
30分ぐらいが限界です。
ケースも大きめで、重量感もあります。
それが高級感を感じさせてくれるため一長一短ですね。
充電ケースへは磁石でくっつく形ですが、ラバー素材のため引っ掛かりがあり、落とすだけではしっかりはまらないことが多いです。
「取り出しやすいが、しまいにくい」といった感じです。
LEDランプはイヤホン本体にはついておらず、ケースの外側と、内側にあります。
残量が分かり易く、充電タイミングを逃すことは無かったです。
充電端子はUSB Type-Cでケース下側にあります。
操作方法はタップ&スワイプです。
RHAと書かれている円の部分を操作します。
左 | 右 | |
音楽再生・停止 | 1回タップ | 1回タップ |
音量アップ | 前方へスワイプ | |
音量ダウン | 後方へスワイプ | |
曲送り | 前方へスワイプ | |
曲戻し | 後方へスワイプ | |
外音→ANC→無 | 2回タップ | |
クイックアンビエント | 長押し中のみ |
これらの操作方法は、アプリよりある程度変更できます。
②音量
③ANCモード
④オフ
上記を左右それぞれスワイプ操作と2回タップに割り当てられます。
2回タップに①や②を割り当てた際のみ3回タップが出てきます。
不満な点として、
・感度が良すぎて誤作動が多い
・スワイプ操作がやりづらい
があります。
特に誤作動は本当に多く、ストレスに感じました。
装着している途中で音楽が流れたり、微調整中に音楽が止まったりが頻繁に起こります。
付属品
・シリコンイヤーチップ(S/L 各2ペア、M 3ペア)、Complyイヤーチップ(S/M/L 各1ペア)
・充電用USB-Cケーブル
・クイックスタートマニュアル
一般的な完全ワイヤレスイヤホンの付属品といった感じです。
イヤーピースは豊富に見えますが、実際はシリコンとフォームタイプがそれぞれ3サイズと細かいサイズ展開は無いです。
また社外品のイヤーピースはケースに収まらないものもある上に、イヤホン全体で支える装着方法のため高さの低いものでないとイヤホンが浮いてしまい、上手に装着できません。
個人的にはSednaEarfit XELASTEC(AirPods Pro専用)が密閉感もアップして好みでした。
サイズ展開も6サイズと豊富なため、純正イヤーピースが合わない方にはおすすめです。
音質
全体的な印象は、どっしりと構えた壮大なサウンドです。
こもった印象は一切無く、一音一音はっきりとクリアに聴こえます。
ただ、音色が硬くなりすぎないため、クリアさを追求した音ではないです。
イヤホンをウォーム系とクール系に分けるとするとちょうど中間のあたり。
バランスが良く、おそらく好みに左右されにくい音色です。
低音域、中高音域のバランスは低音側に寄っています。
ただし、決して低音過多になることはなくバランスは取れているので、聴く人によってはフラットに聴こえるかもしれません。
低音域はぼやけることなく、締まった音の振動が耳に響いてきます。
壮大さを支えるすばらしい低音です。
高音域は煌びやかさこそ感じにくいものの、しっかりと鳴っていて、こちらもクリアに聴こえます。
またアプリを使用するとイコライザーも使えます。
ただ自由に調整できるものではなく、5つのプリセットから選ぶ形になります。
(フラット、低音を持ち上げる、高音を持ち上げる、中高音を持ち上げる、ドンシャリ)
正直使わなくても十分高音質ですので、要らない機能かなと思いました。
どんな曲に合う?
正直どんな曲でもしっかりと聴かせてくれると思います。
強いてあげるならば、ベートーヴェンや、ブラームスなどのドイツ系の交響曲にはこのイヤホンの壮大な音が合っていますね。
ちなみに、普段あまり聴かないのですが、ポップスなども聴いてみました。
感想として、ボーカルよりも伴奏が前に出てきてしまう傾向が強く、特に女性ボーカルでその傾向が強かったです。
ポップスであれば音数の少ないバラードなどのほうが聴き易いかもしれません。
接続性能
ケースを空けた瞬間からペアリングが始まるため(多くのTWSはケースから取り出してから始まる)、装着が終わる前に接続が完了していることが多いです。
Bluetoothが切断されることはこの1週間では無かったです。
ただ、音途切れ結構頻繁に起こる印象で、所持している完全ワイヤレスイヤホンの中ではダントツでぶつぶつ音途切れを起こします。
音楽鑑賞においては結構致命的な欠点ですね。
あまりそういった意見が無いので、接続機器(OPPO Reno 3 5g)との相性が悪かっただけかもしれないですが、念のためお伝えしておきます。
ノイズキャンセリング&外部音取り込み
アクティブノイズキャンセリング(ANC)
一見するとよく効いているように感じますが、実は全く強くないです。
モードの切り替えが「外音取り込み」の次にANCが来るため勘違いしやすいです。
アプリから操作するとANCのオンオフを交互にできるのですが、ほとんど違いを感じませんでした。
イヤホン自体の遮音性能が高いためANCの効果を感じにくいのかもしれません。
外部音取り込み
外部音取り込み機能はめちゃくちゃ優秀です。
音の自然度も高く、また取り込み量もアプリから調整できるため好みにあわせやすいです。
そして最大量にしても不自然さはほとんど感じません。
外音取り込みは所持している機種の中ではダントツでよかったです。