「クラシック音楽なんて聴いたことないけど、TVで流れてきたあの曲気になるなぁ。」
そんな風にクラシック音楽に興味を持つ方も多いと思います。
でも、いざ曲名を調べて、よしCDを買ってみようとなったとき、
「なんで同じ曲に何枚もCDがあるの?どれを買えばいいの~?」
こう思った方いませんか?
私もクラシックを聴き始めた頃はよく「どれ買えばいいの?」ってなっていました。
結局、適当に選んだことで、何度も失敗するはめに・・・
今回は、「聴きたい曲はあるけれどどのCDを買えばいいのか分からない」という方に向け記事を書きました。
本記事では、はずれCDを購入しないために私が行っている選び方の基準をご紹介していきたいと思います。
そもそもなぜ同じ曲のCDが何枚も売られているの?
これ疑問に思いませんか?
私は本当に不思議でした。
「同じ曲に何枚もあっても需要がないでしょ?ショップに何枚も置かないで選別しておいてよ」て思っていたんです。
でも実は、クラシック音楽は同曲異演奏の需要は大きいんです。
クラシック音楽は、「作曲家」が残した楽譜を、「演奏家」が作曲家の意図を汲み取り、解釈を加えて演奏するものです。
ですから、演奏家が違うと、曲の印象も違ったものになります。
そのため、クラシック音楽では指揮者は誰か、誰が演奏しているのかという点が聴く人にとって重要なんですよね。
すると、そこには「この演奏家のこの曲が聴いたい」という需要が生まれます。
好みはそれぞれ違うため、同じ曲に何枚ものCDが売られているという状況になるんです。
とはいえ、クラシック初心者の方にとって誰の演奏かというのは大きな問題ではないです。
大事なのは、ストレスのかからない最低限の音質を保ちながら、楽譜に忠実で癖のない演奏を選べるかです。
「同じ曲の様々な演奏」から1枚を選べるようになるクラシック音楽CDの選び方
ここから、同じ曲の様々な演奏から初心者にとって最適な1枚を選ぶ上で大事な「私もやった6つのポイント」をご紹介していきます。
録音年はできるだけ新しいものを選ぶ
私が1番はじめに確認するようになった基準が録音年です。
というのも、私は曲を楽しむ上で録音年での失敗が1番多かったからです。
長い間演奏されてきているクラシック音楽は、1940年代録音というものも普通に売られています。
どうしても古い録音というのは新しいものと比べて、録音技術の差を感じます。
特にステレオ録音の実用化以前(50年代以前)のものは、ノイズなどが気になり、曲を聴くどころではなくなります。
私は、42年録音のように古いものを買ってしまい、結果聴いてもどんな曲か分からなかったなんてことを何度も経験しました。
少なくとも、60年代以降に録音されたものにするべきです。
もちろん演奏の良し悪しも大事です。
ただ、とりあえず「この曲が聴きたいんだ」という初心者の方(その曲を聴くのは初めてという場合)は新しい録音のものを選ぶとストレスなく聴けて、曲自体を楽しめますよ。
LIVE録音は避ける
クラシック音楽にもLIVE録音のCDは存在します。
LIVEならではの迫力や疾走感を感じることができ、私も「何度も聴いたことがある曲」であれば好きです。
ただ、LIVE録音のCDは、音質的に問題があったり、演奏の瑕疵が目立つものも少なくありません。
そのため私は、初めて聴く曲はLIVE録音を買わないようにしています。
なぜなら、「初めて聴く曲は演奏を聴きたいのではなくて曲を聴きたい」と思うからです。
もちろんLIVE録音とは思えないものも存在しますが、それを偶然選べる確率を考えると、おすすめできません。
私は、LIVE録音はある程度曲の構造だったりが分かった状態で聴くと楽しめるものだと思っています。
ですから、初めて聴く曲の場合はLIVE録音は避けましょう。
演奏時間を確認する
私は、初めて聴く曲のCDを買うときに、何枚かCDを見比べて、演奏時間が平均的なものを優先して選ぶようにしています。
作曲家が残した楽譜を、演奏家が解釈を加えて演奏するというのが、クラシック音楽の特性のひとつです。
演奏家が違えば、曲の印象もガラッと変わってきます。
中にはかなり独特な解釈が加わっているものもあり、それを購入してしまうと、「TVで聴いたのとなんか違う」となりかねません。
正直、聴いてみるまで分からないこともありますが、購入前に判断できる部分が演奏時間です。
演奏時間がほかと比べて極端に長かったり短かったりする場合は避けたほうが無難です。
私は、何度も聴いてきた曲であれば興味本位で演奏時間が極端に長いものも購入したりします。
ただ、これを最初に聞いてたら曲自体の印象が変わってしまっただろうなと思うことが多々あります。
初めて聴く曲の場合、スタンダードな演奏に出会える確立をあげるために、演奏時間は必ず確認してください。
メジャーレーベルから選ぶ
クラシック音楽のメジャーレーベルというものが存在します。
メジャーレーベルでは昔の名盤が1100円程度の廉価版で売られています。
安く済ませたいという方はそれを選ぶのもいいと思います。
私は、このレーベルを選ぶようになってからは、はずれCDだと思うことは減りましたよ。
- デッカ(Decca Records)
上に青色、下に赤色の背景色のマーク。青色部分にDECCAの文字が入っています。 - ドイツ・グラモフォン(Deutsche Grammophon)
ジャケット表面に記載されている曲名や演奏家の部分が黄色い帯のようになっています。 - EMI(EMI Classics)
側面が赤色。赤の背景色に白文字でEMICLASSICSのマークです。
作曲家の出身国のオーケストラであるCDを選ぶ
私は、オーケストラ曲の場合、はじめの1枚はなるべくオーケストラが作曲家の出身国と一致したものを選ぶようにしています。
チャイコフスキーならロシアのオーケストラ、ベートーヴェンならドイツのオーケストラといった感じです。
クラシック音楽もやはり国柄というものがあります。
特に、ロシアの曲はロシアのオーケストラで聴くのが良いですよ。
逆に、色んなCDを聞いてきた今でも、私は「ドイツの作曲家」の曲を「ロシアのオーケストラ」で聴くと違和感がすごいです。
聴き比べる分には楽しいですが、はじめの1枚としては国が一致しているほうが聴きやすく、曲そのものを楽しめると思います。
ただ、最近の演奏は大きな差がないと感じますので、2000年代などの新しい録音であれば気にしなくても大丈夫です。
レビューは参考にしないほうがいい
私は過去に、ネット上や評論家からの評価がとても高かったCDを購入したことがあります。
ただそれを聞いてみると個人がテープレコーダーで録音したかのような音質で聞けたものではなかったんです。
この録音の評価が高かったのは、有名指揮者の日本公演であったためです。
生で聴いた方々の思い出補正もあったのだと思います。
クラシックCDのレビューは「どんな演奏か」という面が非常に強いです。
たくさん同曲異演奏を聴いている方々が演奏内容の良し悪しを書いていらっしゃるので、私の例のように録音状態が無視されることも多々あるんです。
初めて聞く曲は、演奏の良し悪しよりも録音状態がよくスタンダードな演奏といったことが大事なので、レビューは見ないほうがいいですね。
なんだかよく分からないという方はこの演奏家を選べば失敗しない!
いろいろCDを選ぶ基準についてご紹介しましたが、すこし初心者の方には難しい面もあるかなと思います。
そこで自分で選ぶ自信がないという方のために、とりあえず私が比較的スタンダードだと思う指揮者、ピアニスト、ヴァイオリニストを紹介します。
指揮者
- ヘルベルト・フォン・カラヤン(Herbert von Karajan)
- サイモン・ラトル(Sir Simon Denis Rattle)
ピアニスト
- マルタ・アルゲリッチ (Martha Argerich)
- エフゲニー・キーシン(Evgeny Kissin)
ヴァイオリニスト
- イツァーク・パールマン(Itzhak Perlman)
- ギル・シャハム(Gil Shaham)