「クラシックって何から聴き始めたらいいのか分からない!」
クラシックを聴いてみたいなと思ったときまず思うことですよね。
私も初めはそんな感じでした。
オーケストラサークルの友人に影響されてクラシックを聴いてみようと思ったものの、何を聴けばいいのかよく分からない。
適当に、なんか聞いた事ある作曲家のCDを買って聴いてみました。
結果、全然理解できないし、つまらないし、苦痛。
「私はクラシック聴くの向いてないんだ」とそのときは思いました。
私の場合は、その後にたまたま目にとまったCDに収録されていた1曲が私をクラシック好きに変えてくれました。
せっかくクラシックを聴いてみようと思っている皆さんには、私のような遠回りはせずすぐにクラシックを好きになっていただきたいと思い、この記事を書きました。
まずは私をクラシックの世界に引き込んでくれた「初心者に本当におすすめしたい1曲」をご紹介します。
そしてなぜその曲が初心者におすすめであるのか、その理由をお話します。
私をクラシックの世界に引き込んでくれた「初心者に本当におすすめしたい1曲」はこれ!
私をクラシックの世界に引き込んでくれた「初心者に本当におすすめしたい1曲」は・・・
チャイコフスキー ヴァイオリン協奏曲です。
クラシックに挑戦しようと思った私は、この曲に出会う前、ベートーヴェンの「運命」とかドヴォルザークの「新世界より」とかショパンのピアノ曲とかバッハとか、とにかく有名曲や聞いた事ある作曲家のCDを買って聴くことから入りました。
「運命」や「新世界より」は有名な旋律もあって確かに知っている部分はありましたが、クラシックを聴いてこなかった私には理解不能で全曲聴き通すこともできませんでした。
またピアノ曲やバッハは正直、退屈な印象がぬぐえなかったです。
そんなこともあり、「次の曲でもダメならクラシック音楽を聴いて楽しむことは諦めよう」と思いながらたまたま手に取ったCDに収録されていたのが「チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲」でした。
この曲を聴いた瞬間「めちゃくちゃ良い曲じゃん」と思いました。
そして、気づいたら全曲聴き通していたんです。
その後は、この曲を何度も聴き続けました。
そして慣れてきた頃にこれまで買ってきたCDを聴くと・・・
「あれ?普通に聴けるぞ。というか良い曲じゃないか」ってなりました。
そこから私はクラシックにはまりにはまっていくことになります。
次の項から、いくら私をクラシックの世界に引き込んだ曲とはいえ、今日まで様々なクラシックの曲を聴いてきた今でも、なぜ「チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲」を初心者に本当におすすめしたい1曲とするのか。
その理由をお話していきます。
チャイコフスキーヴァイオリン協奏曲が「初心者に本当におすすめしたい1曲」である理由
チャイコフスキーヴァイオリン協奏曲が「初心者に本当におすすめしたい1曲」である理由は3個です。
②ロマン派時代の曲だから
③ロマン派ヴァイオリン協奏曲の中でも一般受けしやすい分かりやすい曲だから
まずこれらについてお話しする前に、知っておいてほしいクラシック音楽の分類について2つお伝えさせていただき、その後3つの理由について1つずつご説明していきます。
クラシックもジャンルがある
実はクラシック音楽といってもジャンルは様々あります。
大まかに分けていくと以下のようになります。
・管弦楽曲(オーケストラ)・・・交響曲、協奏曲、交響詩など
・室内楽曲(少人数の合奏)・・・弦楽合奏、弦楽四重奏、木管五重奏など
・器楽曲(ソロ&伴奏)・・・ピアノソナタ、ヴァイオリンソナタなど
・声楽曲・・・歌曲、オペラなど
簡単な違いとしては「演奏人数」が管弦楽曲>室内楽曲>器楽曲というイメージです。
また声楽曲は歌が入る曲で、歌曲、オペラなどですね。
書かれた時代によっても分類される
クラシック音楽は、ジャンルだけでなく、書かれた時代によっても分類されます。
同じジャンルの曲でも、時代が違うとそこから受ける印象はまったく違うものになります。
簡単に分けると以下です。
・バロック音楽(1600年頃~1750年頃)
・古典派音楽(1780年頃~1820年頃)
・ロマン派音楽(19世紀頃)
・近代音楽(20世紀前半)
・現代音楽(20世紀後半~)
このような形で分類されます。
初心者におすすめの理由①・・・ヴァイオリン協奏曲だから
ヴァイオリン協奏曲が初心者にお勧めである理由についてご説明していきます。
初心者におすすめのジャンルは?
まず、クラシック音楽のジャンルについてご紹介させていただきましたが、その中でクラシック音楽入門としておすすめしたいのは管弦楽曲(オーケストラ)です。
なぜなら、弦楽器、管楽器、打楽器あわせて80名~150名ぐらいの大規模な編成で演奏されることによって迫力がすごいからです。
私がピアノ曲を聴いてもクラシックにはまれなかったのは、ピアノの音しかしなくて眠くなってしまったからなんです。
それに対して、管弦楽曲はよくクラシックのイメージとして言われるような「退屈~」だったり「眠い・・・」なんてことは一切ないためおすすめなんです。
管弦楽曲の中でもなぜ協奏曲おすすめなのか?
管弦楽曲をさらに細かく見ていくと、交響曲、協奏曲、序曲、組曲、交響詩などあります。
そんな中、明らかに演奏形態が違うものが1つあります。
それが「協奏曲」です。
この演奏形態の違いが初心者におすすめである理由になります。
協奏曲の特徴はソロ楽器がいるという点。
ここがおすすめする最大の理由です。
基本的にソロ楽器がメロディを演奏し、オーケストラが伴奏をする形です。
バンドでいえばソロ楽器はボーカルの役割ですね。
そのため、他のジャンルと比べて、メロディーがとっても追いやすいです。
これ、初心者には重要なんです。
私がベートーヴェンの「運命」とかドヴォルザークの「新世界より」を聴いても理解不能であった理由がここにあります。
これらの曲を聴いてみての正直な感想は、「メロディーがまったくわからない・・・」です。
何をやっているのかさっぱりで、頭の中が???状態でした。
交響曲はソロがなく、主役はオーケストラ全体であるため、メロディーと伴奏が様々な楽器に移り変わっていきます。
それが原因で、初心者だった当事の私は、メロディを全く追えていなかったんです。
そのために曲を音楽として認識できなかったのだと思います。
それに対し協奏曲であるチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲は、ヴァイオリンソロが基本的にメロディーを弾きます。
そのため、クラシックを聴いてこなかった私でも、音楽として理解でき、曲そのものを楽しむことができました。
協奏曲でも特に「ヴァイオリン協奏曲」が良い理由
まず、協奏曲の定番といえば、どうしてもピアノかヴァイオリンになります。
曲の数からいって、この2つの楽器に集中しています。
ではなぜ初心者にはピアノ協奏曲ではなくヴァイオリン協奏曲がおすすめなのか。
それは、ピアノは同時に鳴らせる音が多く1台で完結できてしまうからです。
ピアノは伴奏とメロディーを1人で担当できます。
そのため、交響曲に比べれば分かりやすいものの、結局メロディーを追っかけるのに結構集中力が必要になってしまうんです。
逆にヴァイオリンはピアノに比べると一度に出せる音は少ないので、メロディーを弾いているときは基本的にはメロディーだけです。
初心者におすすめの理由②・・・ロマン派時代の曲だから
入門として入りやすい時代はご紹介した5つの中で断然「ロマン派」になります。
ロマン派をおすすめする理由は、
・メロディのわかりやすさ
これらのバランスがいいからです。
人それぞれ感じ方はありますので一概には言えませんが、
私はバッハ(バロック音楽)を聴いて、めちゃくちゃ退屈でした。
いわゆる敷居の高い「THEクラシック音楽」という印象です。
逆に近代音楽や現代音楽を聴いても、複雑すぎて音楽とは思えず、ただ音が並んでいるだけのものと感じました(あくまで初心者の時期はですよ)。
これらの時代は初めてクラシックを聴く人にとっては複雑でメロディーが分かりにくいんです。
その点、チャイコフスキーヴァイオリン協奏曲はいわゆる「THEクラシック音楽」とは違うし、だからといって、メロディーはしっかりと認識できたため、退屈にならず、曲もしっかり理解できました。
初心者におすすめの理由③・・・ロマン派ヴァイオリン協奏曲の中でも一般受けしやすい分かりやすい曲だから
ロマン派の協奏曲の中でも特にチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲がおすすめである理由は、ロマン派協奏曲の中でも一般受けしやすく分かりやすい曲だからです。
まずは、曲の構造に複雑なところがなく、とにかく聴きやすいです。
また、メロディーがロマンティックで曲全体は明るくとても華やか。
構造が複雑でなくメロディーは分かりやすいため、ヴァイオリンの美しい音色や凄い技巧も、オーケストラの迫力ある演奏も、混乱することなく初心者でも楽しめる曲なんです。
またおすすめの名盤は「「チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲」名盤紹介!演奏の特徴で分類」にご紹介していますのでぜひご覧ください。
チャイコフスキーヴァイオリン協奏曲がお気に召された方におすすめする「次に聴くといい曲」
チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲を聴いて「ほかの曲も聴いてみたい」と思ったとき、次に聴くのにおすすめの曲をまとめておきます。
ぜひどんどんチャレンジしてみてください。
①ドヴォルザーク チェロ協奏曲 ロ短調
②メンデルスゾーン ヴァイオリン協奏曲 ホ短調
③ブルッフ ヴァイオリン協奏曲第1番 ト短調
④サン=サーンス ヴァイオリン協奏曲第3番 ロ短調
⑤グリエール ホルン協奏曲 変ロ長調
まずは同じロマン派の協奏曲をいくつか聴いてみることをおすすめします。
私も、チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲の後は、まずはいろんな協奏曲を聴きました。
そうして協奏曲でオーケストラになれてくると交響曲も楽しめると思います。
①チャイコフスキー 交響曲第5番 ホ短調
②シューマン 交響曲第3番「ライン」 変ホ長調
③ドヴォルザーク 交響曲第8番 ト長調
④メンデルスゾーン 交響曲第4番 イ長調
まずはそういった曲で楽しみながら交響曲を聴くことに慣れていくのがおすすめです。
その後にはブラームスやベートーヴェン、ブルックナー、マーラー、シベリウス、ショスタコーヴィチといったようにどんどん新しい作曲家の曲を聴いていったり、別のジャンルを聴いてみたりとクラシックの世界はどんどん広がっていきます。
そうなればきっと知らないうちにクラシック音楽にはまっていきますよ。
チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲を入門にどんどんクラシックの楽しみを広げていってくれたらうれしいです。